あなたの言葉が、世界一。

せっかく出会った言葉を、第3のビールの力で忘れないように。

「これ以上はひとりきりになんてなれない」 川上未映子 すべて真夜中の恋人たち

もうずいぶん長い間、私はいつもひとりきりだったのだから、
これ以上はひとりきりになんてなれないことを知っているつもりでいたのに

 川上未映子 すべて真夜中の恋人たち P.261

すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)
 

 

この小説を読んでいて、目頭が熱くなるとか、感動で胸が震えるみたいなことはなかったのだけど、うっと胸が苦しくなった一文。

 

「ひとりきり」という言葉には、ひとりぼっちとか、”独り”みたいな、もうこれ以上細分化しきれないニュアンスが含まれている気がするのに、それをさらに細かく引きちぎってしまう。
台無しな表現でいうと泣きっ面に蜂のセンチメンタル版。んー、ちがう?

 

クリスマスとか、お正月とか、渋谷とか、大学のキャンパスとか、

人がいっぱいいて、にぎやかな場所で、きらりきらりとしている時間ほど、ひとりきりに拍車がかかるというか、大人数の飲み会で端っこに座っている感覚になっていく。

 

ぼんやりと、大人数ではしゃいでいる方が幸せという価値観を、植えつけられる機会が多くて、TVやインターネットがそれを繰り返し伝えることで、食指気味になっていって、ひとりカラオケなり、ひとり○○が増えていくのはいいことかもしれない。

群れるのはかっこ悪い。「キョロ充」なんていう言葉が出てきて、バランスが取れながらも、馬鹿にされる人ばかりが増えていって、なかなか肯定を得られなくって、居場所がないような空気が蔓延していく。

 

若者が早めに結婚しているのも、ついつい英会話に手を出してしまうのも、足場をかためたかったり、これは自分の居場所と思えるものを作りたかったりするから。

ある日突然にブログを始めるのも、きっと。